オリーブ大事典
オリーブオイル
有史以前から人類に愛されてきたオリーブ。その最大の恵みがオリーブオイルです。オリーブの果実を搾るだけでできるオリーブオイルは、人間が最初に手にしたオイルだと言われています。今も地中海沿岸諸国を中心に様々なオリーブオイルがつくられています。
オリーブオイルの主な生産国
世界でつくられているオリーブオイルの年間総生産量は約280万トン。その半分以上をスペイン産とイタリア産が占めています。最大の生産国はスペインで、世界に先駆けてオリーブオイルの品質を保証する原産地呼称(DO)制度を整備したことでも知られています。熟した実を収穫して搾油するので、苦みが少なくやわらかな味わいが特長です。
一方、イタリア産オリーブオイルの魅力はそのバラエティの豊富さ。オリーブ自体の品種も多く、ほぼ全土でオリーブオイルの生産が行われています。マイルドなものから辛味が強いもの、フルーティなものまで様々なオイルがあります。
その他、地中海沿岸の主要生産国としては、ギリシャやシリアなどがありますが、高級オリーブオイルの産地として注目されているのがフランス。南部の沿岸地域でオリーブが栽培されており、そのオイルはまろやかで繊細な味わいが特長です。
オリーブオイルの生産地は地中海沿岸だけではありません。近年、オーストラリアも産地として高く評価されています。特に地中海の気候に近い西オーストラリアでは質の高いオリーブが採れています。オーストラリアのオリーブオイルは若々しく爽やかな風味が特長です。
日本の小豆島もオリーブ栽培に適した気候で、100年以上前からオリーブオイルの生産が行われています。生産量は少ないながらもその品質には定評があります。
世界の
オリーブオイル品評会について
毎年、オリーブオイルの主要生産国および世界の主要都市で、オリーブオイルの品評会が行われています。世界各地の生産者が自社製品を出品し、そのクオリティを競うのです。
最も品質の高いオリーブオイルであるエキストラバージンオリーブオイルに特化して行われている品評会のひとつが、ロサンゼルス国際エキストラバージンオリーブオイル品評会。世界各国からオリーブオイルの専門家が審査員として参加することで知られています。
この品評会は2000年から始まり、2012年からは収穫時期の異なる南半球と北半球に分けて審査が行われるようになりました。品評会では「香り」「味」「調和」について審査され、優れたオリーブオイルにはベストオブショウ、ベストオブクラス、金賞、銀賞、銅賞などが授与されます。
2012年と2013年に、この品評会で当社の「瀬戸内・小豆島産エキストラバージンオリーブオイル ゴールドラベル」が金賞に輝きました。さらに2015年4月にも北半球の部に出品された14カ国500点から金賞に選ばれ、さらに金賞のなかでも特に優れた24点を選抜するベストオブクラスに同製品が選ばれています。
品評会は、より質の高いオリーブオイルの製造を目指す生産者が切磋琢磨するよい機会となっています。
オリーブソムリエと
カタドールについて
ワインの専門家としてソムリエがいるように、オリーブオイルについての専門家も存在しています。それがオリーブオイルソムリエとカタドールです。
オリーブオイルソムリエは日本オリーブオイルソムリエ協会の認定資格です。資格保有者は、オリーブオイルの歴史から始まり、その種類、料理との相性、栄養、規格や格付け、市場情報などあらゆる知識を身につけています。またテイスティングの訓練も受けており、高度な技術を習得しています。まさに信頼できるオリーブオイルの専門家と言えるでしょう。
カタドールはスペイン・アンダルシア州農水省認定のオリーブオイル鑑定士です。「カタ」とはテイスティングのことで、人を表す「ドール」がついて、テイスティングをする人という意味になります。
その名の通り、できあがったオリーブオイルの味や質を判別するのが主な仕事。オリーブオイルは国際オリーブオイル協会によって、エキストラバージンオリーブオイル、バージンオリーブオイル、オリーブオイル(ピュアオイル)の3等級に分かれており、これらを判別するのがカタドールです。色などの見た目だけではなく、香りや味、喉ごしなども確認して品質を判断します。
さらに、カタドールは質のよいオリーブオイルの原料となるオリーブの栽培方法、収穫時期、搾油・ブレンド方法などに関するアドバイザーでもあります。オリーブオイル生産についての総合鑑定士と言ってもいいかもしれません。
当社では、オリーブオイルソムリエ5名、ジュニアソムリエ2名、カタドール2名からなるチームがあり、オリーブオイルの品質鑑定やブレンド、情報発信などを行っています。